月別アーカイブ: 2016年1月

3月に「ジャーナリズムのお祭り」開催します!

3月12日に、『ジャーナリズム・イノベーション・アワード2016』を開催します!主催は、私も運営委員を務めている日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ)。Facebookなどでもたくさん告知させてもらっているのですが、あらためてご紹介。

アワードは「ジャーナリズムの祭典」的なイベント。大手新聞社やテレビ局だけでなく、NPO、フリージャーナリスト、ライター、ネットメディアなどがジャーナリズム作品を持ち寄り、参加者の投票で賞を決める、という催しです。

応募作品は1月23日現在で25点。出展作品一覧を見ていただくと分かるのですが、とにかくいろーんな作品があります。会社とか肩書きとか全く関係ない、このフラットな感じが好きです。

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いろんな人に参加してもらいたくて、「この作品いいなぁ」と思ったらお会いしたことない人にもガンガンお声がけしているのですが、「自分のはジャーナリズムとは程遠いので…」という反応も多いです。でも、アワードに参加したら、きっと今までのイメージが変わると思います。

正直なところ私自身、記者をやっていた頃も「ジャーナリズム」とか「ジャーナリスト」っていう言葉を使うのがしっくりこなかったし、敷居が高い感じがしますよね。でもアワードに関わってみて、「ジャーナリズム」ってこんなに多様で、カオスでいいんだなーと思うようになりました。何も政治や経済の話題に限らないし、表現方法も記事や写真だけじゃない。例えば人と人を繋いだり、コミュニティーを形成するのも、ジャーナリズムの一つの役割だと思います。

自分が心を込めて作った作品について、直接説明できるのもアワードの魅力の一つです。どういう気持ちで制作したのか、どれぐらいの労力や時間をかけて完成したのか、一番伝えたいメッセージは何なのか… これまで参加した方の中には、「インターネット上では褒められてばかりだったけど、リアルの場では批判的な意見もたくさんあった。そこから作品をさらに高めることができた」という方もいました。ネットの反応が必ずしも全てではないと思うし、やっぱりリアルの交流って貴重だと思います。

今年はローカルメディアからの応募を多くいただいていて、こんなに色々あるんだ!とびっくり。私が住んでいる長野県から発信している面白いウェブサイトもいくつか見つけて、声をかけさせてもらってます。ぜひ、長野からも来て欲しい!

引き続き、特設サイトから作品の応募を受け付けています。

 

 

 

 

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「翻訳道場」でひたすら訳してきました

年末のことになりますが、ずっとお会いしたかった翻訳家・環境ジャーナリストの枝廣淳子さんが講師の「翻訳道場」に参加してきました。朝から晩まで、ひたすら訳しました… 翻訳者としてのレベルをさらに上げるためだけでなく、勉強法や人生における目標設定の仕方についてもとても学びが多かったので、振り返ります。

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翻訳は地道な作業。普段は黙々と一人でやることが多いので、同じ志を持つ人たちと学べてすごく刺激になりました。

 

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・訳したものは、翻訳者の目線と、一読者の目線の両方で見直す(枝廣さんは「違う帽子を被る」と表現していました)

・勝手な解釈で「創作」しない。「創作」は翻訳ではない

・辞書を引いたりネットで調べたりする時間は、翻訳の勉強時間に加算しない。調べるためにインターネットの海にどっぷり浸かって、やったような気になってしまわないこと

・著者の意図がわからないとき(ある物事をネガティブにとらえているのか、ポジティブにとらえて書いているのか、など)は、できるだけニュートラルな単語、表現を選ぶ。

・日本語力を磨く必要性

・自分が頑張って作った訳文は誰しも可愛いので、一度作業を終えたら満足しがち。10人いれば10通りの訳があるように、必ず違う翻訳も考えてみる

・「とことん納得がいくまで短い文章をじっくり訳す」「なるべく短時間でできるだけ多くの文章を訳す」など、その日の目標を設定してから取り組む。1日の勉強が終わってからどうなっていたいのか、何を改善したいのか、目的意識を持つ

・ビジネス翻訳と、出版翻訳は全く別の世界。出版翻訳をしたいなら、横にジャンプする必要がある
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特に私は「自分の訳が可愛い」という気持ちが、もう一歩上のレベルに行く妨げになっていたなぁ、と思います。一生懸命訳したので、これ以上の訳はないだろう、と心のどこかでいつも思っていた気がします。

あとは、インターネットでの調べ物にハマってしまい、時間があっという間に経っている、ということがよくあります。もちろん、書かれていることの背景や事実関係を調べるのはすごく大切ですが、相当意識的に時間を区切ってやらないと、単なる時間の無駄遣いと自己満足に陥るなぁ…と反省。

翻訳って「下請け」的に思われがちで、実際私も「翻訳ってつまんないなぁ。自分で何か書いた方が面白いじゃん」と思っていました。でも、翻訳者の腕一つで原書を生かすことも殺すこともできてしまうし、ちょっとエッセンスを加えれば原書で読む以上に面白い本になってしまうことだってある(事実関係を曲げるという意味ではなく)。今は、とてもクリエイティブな仕事だと思っています。

インターネットの情報も英語が圧倒的に多いけれど、英語を使わない人にはなかなか入って来づらい。ニュースにしても、日本語で伝えられているのとは全く違う視点の場合も多いし、広い視点を持つという意味で英語の情報に触れることはとても大切だなぁと実感しています。

枝廣さんは、プロとして通用する翻訳者を250人育てるのが夢だそう。そうすれば、250ページの本を1日で訳すことができるから。「英語で書かれた本には日本の人が読むべき、役立つべきものがたくさんある。それをもっと伝えたい」とおっしゃっていて、本当にそうだなぁと思いました。

今年は、ニュース&ビジネス翻訳の仕事をやりながら、さらに腕を上げるために一冊まるまる本を訳してみるのが一つの目標です。仕事につながるように、行動しよう!と思えた学びの場でした。

 

プログラム終了後の懇親会でもひたすら翻訳や語学について話し合う、異様な集団でした(笑)。

 

 

 

 

 

「風の人」になる

私が東京から長野県に移り住むにあたって、とても勇気をもらえた一冊の本を紹介したいと思います。

地域ではたらく『風の人』という新しい選択

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ローカルジャーナリストの田中輝美さんと、法政大学・藤代裕之研究室のゼミ生の方々が一緒に書き上げた作品です。

この本には、8人の「風の人」が登場します。島根県(人口が全国で二番目に少ない県!)にIUターンして、教育改革や医療、地域活性化など、さまざまなことにチャレンジしている人たち。彼らにスポットを当てて、東京などの都市部ではなく、「地域で働く」という選択肢について考えさせてくれる本です。

私も、昨年10月に約8年間お世話になった会社を退社して、東京を離れました。「会社辞めます」と言ったとき、周囲からは本当に色んな反応があったなぁ。もちろん応援してくれる人もいたけど、大半が「そんな田舎に行くなんてキャリアがもったいない」「絶対辞めるのやめたほうがいい」「(私の家の周りの写真を見て、風景があまりに田舎なので)・・・やばくね?w」などなど。

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この本に出てくる「風の人」に共通していることは、みんな葛藤や挫折を繰り返しながら、自ら地域での「仕事」や「働き方」を切り開いているということ。何もない、と文句をたれるのではなくて、「なければ作る」「成功するかしないかではなく、とにかくやってみる」という姿勢が、心を揺さぶりました。

登場する人たちが成し遂げていることもすごいんだけど、そこまでの過程が読んでいて一番面白い。例えばソニーを辞めて島根の離島にIターンして、教育改革に取り組んだ岩本悠さんの章は、「よそもの」として地方で働く中での葛藤や、「Iターンのくせに」と批判された経験も語られています。実は岩本さんには島根で記者をしていたときにインタビューさせてもらったことがあるのですが、その時私は聞けなかった本音もぽろっと出ていて読み応えがありました。

例えば家族の都合やのっぴきならない事情で、自分の意思とはあまり関係なく地方に移住することになった人だって、自分次第で「風の人」になれるんじゃないかな。「田舎に戻る」というより、「都会と田舎の両方に自分のフィールドが広がった」と思えば、それはすごく強みになる。私も昔は、閉鎖的な田舎から出たくてしょうがなかったけど、回り回って自分を育んでくれた地域にまた住むことになって、今はいいところと悪いところ、両方がよりクリアに見えるようになりました。昔は短所だと思っていた部分こそが、この地域の長所でもあり、魅力なんだという風に今は思います。それはやっぱり、一度外に出て、戻ってきたからこそ。新しい視点で、この地域との関係を再構築できたら面白いだろうな。

この本は、「風の人」=地域と都会をまたいで活動し、風を起こし、去っていく人、にフォーカスを当てていますが、「土の人」=その土地に根付いて生活している人たち、に向けてのメッセージでもあるそう。以下、私が印象に残った、冒頭の田中さんの言葉を引用します。

”これまで、新しく地域に来たよそものが「いつまでいるの?」と定住の覚悟を問いかけられる場面を見てきました。大切なのは、定住するかしないかではなく、その風を受け止めて生かすのか、よそものによる雑音として流すのか、地域の人たちの姿勢です。これからは、風の人に「来てくれてありがとう」と言える地域が生き残っていくのだと思います”

私は、同じ県内でも自分が生まれた町とは違う場所に移住したので、いわゆる「Jターン」になるらしいですが、やっぱり新しい土地に住んで、分からないことだらけ。「土の人」にたくさん助けてもらっています。

 

ちなみに、法政大学総長の田中優子さんが「風の人」について江戸時代の視点から書いている記事も合わせて読むと面白いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

ぜんぶ手作り、「大盤振る舞い」の店。

昨年12月、長野県伊那市に仲間たちがダイニングバーを開店しました!「ovan」(オーヴァン)というイタリアンのお店です。名前に込めた想いは色々あるそうですが、「大盤振る舞い」という意味。店名の通り、料理は美味しいのにお値段はリーズナブル。「錦町新地」という昭和感が漂う路地の一番奥にあって、隠れ家的な雰囲気も素敵です。

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ovanの建物はもともとお寿司屋さんだったらしいのですが、約3年前から空き店舗でした。少し前に東京から移住した2人が、約5ヶ月かけて一から全部リノベーションした「手作り」のお店なのです。

まだ工事中だった昨年の秋頃お店にお邪魔したときは、正直言って「これ大丈夫か?」と心の中で思いました。埃だらけの座敷に、おもいっきり和風の古びたカウンター、油まみれのキッチン。何年も使われていなかったこともあって、お世辞にも綺麗とは言えず… しかも経験はほぼゼロの2人だけで改装、年内オープンを目指すというのはちょっと無謀な計画ではないか、と。

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改装前の一階。完全に寿司屋の小上がりですね。埃すごい。

 

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改装前の玄関。

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二階も畳。年季入ってます

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改装に使う、大量の廃材…

ところが、2人が朝から晩まで毎日毎日作業した結果、数ヶ月後にはこんな感じのお店になりました。

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寿司屋のカウンターだったとは思えない!

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天井をぶち抜いて、吹き抜けに

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畳の小上がりだった空間

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エントランス

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二階もこんなに綺麗に。壁は廃材を利用

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
床を剥ぎ、天井を壊し、壁を塗り、板を貼り、椅子もテーブルもレイアウトも、全部手作り!どうしても自力ではできないガスや水道などを手伝ってもらった業者さん達には、お店が完成した後「正直、開店するなんてムリだと思ってた。この子たちはきっと途中で諦めてしまうだろうと思ってた」と言われたそうです。今では、その業者さんたちもお店に足を運んでくれるようになったそう。

もしかしたら、たいていのお客さんにはこういうエピソードや過程はあまり関係ないのかも知れないです。いくら苦労して作ったって、お店の良し悪しは別だ、という人もいるかもしれません。でも、「みんなが気軽に集い、何かが生まれる場所にしたい」「飲食業を通じて地域をもっと盛り上げたい」という想いがこの場所には宿っている気がします。手作りなせいか、店内にはすごく温かみがある(雪国なので冬は実際寒いですが!)。そういう気持ちだけは、どんなにお金をかけたって創り出せないものだし、ここを訪れた人にちゃんと伝わると思います。

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冬はスペアリブだしのおでんも!

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お店のロゴ。こちらのデザイン、看板製作も自前

 

もちろん、ゴハンもとても美味しいんです。気になる方は、ぜひ足を運んでみてください!

ovan Facebookページ
https://www.facebook.com/ovan0265/?fref=ts