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「フェイクニュース」という言葉はもうやめるべき?

2016年の米大統領選で話題になった「フェイク(偽)ニュース」という言葉。日本ではことしの「流行語大賞」トップテンにも入りましたが、欧米ではこの言葉を使うのはもうやめるべきではないかという議論があります。

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Photo by Kayla Velasquez on Unsplash

米ファクトチェック団体First DraftのClaire Wardle氏らが欧州評議会(Council of Europe)向けにまとめた研究レポートでは、メディアや政治家が「フェイクニュース」という言葉を使うべきでない理由として以下の2つを挙げています。

1. 問題の複雑さを説明するには極めて不十分な定義
2. 世界中の政治家が、自分の気に入らない報道を行うメディアを呼ぶのに使っている。その結果、自由な報道を抑圧するメカニズムになっている

米トランプ大統領はCNNなどによる自身への批判的な報道に対し、「フェイクニュースだ」と攻撃を強めています。欧米に限らず、最近ではミャンマーの州役人が「ロヒンギャ(問題)なんていうのは存在しない。フェイクニュースだ」と発言したことも報じられました。

‘No Such Thing as Rohingya’: Myanmar Erases a History (The New York Times)

「複雑な現象をよりきちんと理解するため、定義についてもっとクリティカルに考えるべきだ」として、レポートはこの言葉に代わる3つの定義を提案しています。

  • Mis-information(ミス・インフォメーション):間違った情報だが、人をだます意図がない場合
  • Dis-information(ディス・インフォメーション):間違った情報が、人に害を与える目的で流されている場合
  • Mal-informaion(マル・インフォメーション):正しい情報が、人に害を与える目的で流されている場合。例えば、個人情報が公の場にさらされるなど

日本でも「フェイクニュース」という言葉がそのまま使われていますが、海外の記事や論文を見ていると、Misinformation, Disinformationの使用も主流になりつつあるようです。

・この研究レポートの概要が短くまとめられた英語記事はこちら
・Mis[Dis]informationの種類については、Wardle氏がこちらの記事で7つの分類を紹介しています

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Readyfor of the year 2017

長らくご無沙汰してしまいましたが、クラウドファンディングプロジェクトは、無事に成立することができました。応援してくださった皆様、改めて本当にありがとうございました。ご支援やメッセージ、とても励みになりました。

先月には、クラウドファンディングの実行者が集まる”Readyfor of the year 2017″に行ってきました。やっているときは自分のプロジェクトで精一杯でしたが、いろんな取り組みをしいてる方に出会えて楽しかった!今住んでいる長野からも、あの「こども病院」の院長さんや、養子縁組を支援されてる方など、挑戦している方がたくさん。サポートしてくれたReadyforのキュレーターさんとも初めて会えました。リターンをお届けしますので(スケジュールが少々遅れ気味ですが…)もうしばらくお待ちください!

イベントではこんなパフォーマンスもあり、大盛り上がりでした。

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日本は寄付文化があまり根付いていないと言われるけど、自分ごとになるきっかけやつながりが生まれれば、より良い社会にするためのサポートをしたい方はたくさんいるんだなと感じます。

今年表彰されたプロジェクトはこちらです!
https://readyfor.jp/awards/oftheyear2017

ネットを信頼できる場所に – クラウドファンディングに挑戦しています

6月に、記者や研究者と一緒に「フェイクニュース研究会」というプロジェクトを立ち上げました。このプロジェクトを進めていくために、クラウドファンディングに挑戦中です!8月22日までに、100万円を目標にしています。ぜひ、ご協力をいただけたら嬉しいです。

ネットを信頼できる場所に。フィエクニュース調査プロジェクト

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インターネットは今や私たちにとって欠かせないものです。情報を集めたり、人とつながったり…分からないことがあったら、まずはスマートフォンで検索するという人も多いと思います。ですが、ネット上にはウソの情報、根拠があいまいな記事も溢れています。ネット空間をより信頼できる場所にするために、まずは日本におけるフェイクニュースの実態を知る必要がある。そのための調査を進めていこう、というのがこのプロジェクトです。

フェイクニュースという言葉自体があまり馴染みのないものだったり、聞いたことはあるけど海外の話じゃないの?という方もいるかもしれません。私自身もはじめはそうでしたが、ある出来事から、もっと身近な問題なんだと感じるようになりました。

このプロジェクトに取り組んでみたいと思ったきっかけも書いていますので、ぜひ一度ページをご覧いただけると嬉しいです。

これまで約50パーセントの支援をいただいています。挑戦する前は(そして今も)逃げ出したい気持ちだったのですが、多くの方にコメントをもらったり、共感したと言ってもらえたりすることで、力をもらっています。

本当にありがとうございます。引き続き、ご協力をよろしくお願いします。

 

「ローカルジャーナリスト育成講座」で東北6県にお邪魔しました

11月に、日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ)が主催している「東北ローカルジャーナリスト育成講座」の運営スタッフとして、東北6県にお邪魔してきました。3週間連続で毎週末、長野→東北へ。さすがに身体がもつか心配でしたが、新幹線は快適だし、東北はどこもご飯がおいしいし、素敵な方にもたくさんお会いすることができたし、長距離移動の疲れも吹っ飛びました。講座は、3つの異なるテーマで開催しました。

 

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青森・岩手は『ウェブで伝わる文章の書き方』、秋田・山形は『地域の魅力を再発見するには』、そして宮城・福島は『取材で話を「聞き出す」力』がテーマでした。詳細レポートは各リンク先のブログ記事をご覧いただきたいのですが、それぞれの講師のメッセージとして共通していたのは、「日々の地道な訓練が鍵」というシンプルなものでした。プロとアマチュアを分けるのは、日々コツコツ学び、繰り返し見直し、その反省を元にもう一度試して反応を見る、ということができるかどうか。

こうすればすぐにうまくなる!という必勝法はないし、「◯日でスキルを上げる方法」というのもない。宮城・福島で講師を務めた鎌倉幸子さん(アカデミック・リソース・ガイド)も「毎日練習することが大切。逆に言うと、特別なことをする必要がある訳じゃないんですよね」とおっしゃっていました。

今回、いろんな形で情報発信に取り組んでいる方同士がつながる場所になったのも、運営としてはとても嬉しいことでした。「だれも情報発信の仕方は教えてくれないので、どうすればいいか分からなかった」「東北で、こんな風につながれる場所がもっと欲しい」という方がとても多かったです。正直、募集する前は「全然集まらなかったらどうしよう……」と心配でしたが、やっぱりそういう場への需要はあるのだなぁと。

今回は1日限りの講座でしたが、このプログラムは復興庁との連携事業です。現在は、より本格的に取材執筆スキルを学ぶ『東北ローカルジャーナリストキャンプ』の参加者を募集中です。詳しくはこちらのリンクもご覧ください。

 

 

ジャーナリストキャンプ2016石巻

4月29日から5月1日まで、日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ)の「ジャーナリストキャンプ2016石巻」に行ってきました。私は運営として参加しましたが、自分自身にとってもたくさんの気づきと学びをもたらしてくれた3日間でした。

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キャンプは、全国から記者やライター、情報発信に関わる人が集まり、指導役のデスク陣のもとで合宿形式で学ぶ場(詳しい様子は、こちらのブログからご覧ください)。どうすれば”自分ごと”として読んでもらえる良質な記事が書けるのか。参加者とデスクは、毎日遅くまで白熱した議論を繰り広げました。執筆した記事は、Yahoo!ニュースに掲載される予定です。

5人のデスクからのアドバイスは、どれも貴重で、聞き逃すことができない「宝」のようでした。それぞれ視点もアプローチも全く違いましたが、言い方が違うだけで、みなさん本質は全く同じことをおっしゃっていると感じました。

デスクの1人、與那覇里子さん(沖縄タイムス記者)は、キャンプ本番前から、参加者に対して「あなたが興味があることは何?」「面白いと思うことは?」という質問を何度も繰り返していました。キャンプの舞台は宮城県石巻市でしたが、「震災」や「被災地」というテーマとは一見関係のないように思える部分から、参加者の関心を引き出そうとしているように見えました。はじめは、どうしてそこにこだわるんだろう、と感じていたのですが、キャンプの議論を聞いているうち、だんだんと腑に落ちました。

「自分の関心」と、記事を書いて「社会にどうなって欲しいのか」という”ゴール”。その2つがクリアでなければ、いい記事は書けない。特に、自分の中から湧き上がる「興味」は、記事を書く最初の出発点。その「熱」が弱い記事は、結局は伝わらないし、うわべだけのものになってしまう。それは、どのデスクも共通しておっしゃっていることでした。

私自身は、「関心」の部分が弱かったのだと気付きました。記事をうまく書こうとして、すぐ「テクニックがあるはずだ」という方向に走ってしまう。でもその前に、自分自身と向き合って、何を伝えたいのか、もっともっと考えなきゃいけないんだ、と。これは記者だけでなく、どんな仕事にも共通して言えることかもしれません。

「関心」や「興味」は、日々のインプットや思考で強化することができる。でも私は、その努力も怠っていた…と、恥ずかしながらはっとさせられました。毎日少しづつでも努力しなければ、感受性はすぐにパサパサに乾いてしまう。

キャンプ中のデスクの言葉は他の参加者へ向けられたものでしたが、全部、自分へのメッセージとして受け取りました。私自身が、変わるきっかけをくれたキャンプ。感謝です。

3月に「ジャーナリズムのお祭り」開催します!

3月12日に、『ジャーナリズム・イノベーション・アワード2016』を開催します!主催は、私も運営委員を務めている日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ)。Facebookなどでもたくさん告知させてもらっているのですが、あらためてご紹介。

アワードは「ジャーナリズムの祭典」的なイベント。大手新聞社やテレビ局だけでなく、NPO、フリージャーナリスト、ライター、ネットメディアなどがジャーナリズム作品を持ち寄り、参加者の投票で賞を決める、という催しです。

応募作品は1月23日現在で25点。出展作品一覧を見ていただくと分かるのですが、とにかくいろーんな作品があります。会社とか肩書きとか全く関係ない、このフラットな感じが好きです。

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いろんな人に参加してもらいたくて、「この作品いいなぁ」と思ったらお会いしたことない人にもガンガンお声がけしているのですが、「自分のはジャーナリズムとは程遠いので…」という反応も多いです。でも、アワードに参加したら、きっと今までのイメージが変わると思います。

正直なところ私自身、記者をやっていた頃も「ジャーナリズム」とか「ジャーナリスト」っていう言葉を使うのがしっくりこなかったし、敷居が高い感じがしますよね。でもアワードに関わってみて、「ジャーナリズム」ってこんなに多様で、カオスでいいんだなーと思うようになりました。何も政治や経済の話題に限らないし、表現方法も記事や写真だけじゃない。例えば人と人を繋いだり、コミュニティーを形成するのも、ジャーナリズムの一つの役割だと思います。

自分が心を込めて作った作品について、直接説明できるのもアワードの魅力の一つです。どういう気持ちで制作したのか、どれぐらいの労力や時間をかけて完成したのか、一番伝えたいメッセージは何なのか… これまで参加した方の中には、「インターネット上では褒められてばかりだったけど、リアルの場では批判的な意見もたくさんあった。そこから作品をさらに高めることができた」という方もいました。ネットの反応が必ずしも全てではないと思うし、やっぱりリアルの交流って貴重だと思います。

今年はローカルメディアからの応募を多くいただいていて、こんなに色々あるんだ!とびっくり。私が住んでいる長野県から発信している面白いウェブサイトもいくつか見つけて、声をかけさせてもらってます。ぜひ、長野からも来て欲しい!

引き続き、特設サイトから作品の応募を受け付けています。

 

 

 

 

「翻訳道場」でひたすら訳してきました

年末のことになりますが、ずっとお会いしたかった翻訳家・環境ジャーナリストの枝廣淳子さんが講師の「翻訳道場」に参加してきました。朝から晩まで、ひたすら訳しました… 翻訳者としてのレベルをさらに上げるためだけでなく、勉強法や人生における目標設定の仕方についてもとても学びが多かったので、振り返ります。

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翻訳は地道な作業。普段は黙々と一人でやることが多いので、同じ志を持つ人たちと学べてすごく刺激になりました。

 

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・訳したものは、翻訳者の目線と、一読者の目線の両方で見直す(枝廣さんは「違う帽子を被る」と表現していました)

・勝手な解釈で「創作」しない。「創作」は翻訳ではない

・辞書を引いたりネットで調べたりする時間は、翻訳の勉強時間に加算しない。調べるためにインターネットの海にどっぷり浸かって、やったような気になってしまわないこと

・著者の意図がわからないとき(ある物事をネガティブにとらえているのか、ポジティブにとらえて書いているのか、など)は、できるだけニュートラルな単語、表現を選ぶ。

・日本語力を磨く必要性

・自分が頑張って作った訳文は誰しも可愛いので、一度作業を終えたら満足しがち。10人いれば10通りの訳があるように、必ず違う翻訳も考えてみる

・「とことん納得がいくまで短い文章をじっくり訳す」「なるべく短時間でできるだけ多くの文章を訳す」など、その日の目標を設定してから取り組む。1日の勉強が終わってからどうなっていたいのか、何を改善したいのか、目的意識を持つ

・ビジネス翻訳と、出版翻訳は全く別の世界。出版翻訳をしたいなら、横にジャンプする必要がある
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特に私は「自分の訳が可愛い」という気持ちが、もう一歩上のレベルに行く妨げになっていたなぁ、と思います。一生懸命訳したので、これ以上の訳はないだろう、と心のどこかでいつも思っていた気がします。

あとは、インターネットでの調べ物にハマってしまい、時間があっという間に経っている、ということがよくあります。もちろん、書かれていることの背景や事実関係を調べるのはすごく大切ですが、相当意識的に時間を区切ってやらないと、単なる時間の無駄遣いと自己満足に陥るなぁ…と反省。

翻訳って「下請け」的に思われがちで、実際私も「翻訳ってつまんないなぁ。自分で何か書いた方が面白いじゃん」と思っていました。でも、翻訳者の腕一つで原書を生かすことも殺すこともできてしまうし、ちょっとエッセンスを加えれば原書で読む以上に面白い本になってしまうことだってある(事実関係を曲げるという意味ではなく)。今は、とてもクリエイティブな仕事だと思っています。

インターネットの情報も英語が圧倒的に多いけれど、英語を使わない人にはなかなか入って来づらい。ニュースにしても、日本語で伝えられているのとは全く違う視点の場合も多いし、広い視点を持つという意味で英語の情報に触れることはとても大切だなぁと実感しています。

枝廣さんは、プロとして通用する翻訳者を250人育てるのが夢だそう。そうすれば、250ページの本を1日で訳すことができるから。「英語で書かれた本には日本の人が読むべき、役立つべきものがたくさんある。それをもっと伝えたい」とおっしゃっていて、本当にそうだなぁと思いました。

今年は、ニュース&ビジネス翻訳の仕事をやりながら、さらに腕を上げるために一冊まるまる本を訳してみるのが一つの目標です。仕事につながるように、行動しよう!と思えた学びの場でした。

 

プログラム終了後の懇親会でもひたすら翻訳や語学について話し合う、異様な集団でした(笑)。