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「翻訳道場」でひたすら訳してきました

年末のことになりますが、ずっとお会いしたかった翻訳家・環境ジャーナリストの枝廣淳子さんが講師の「翻訳道場」に参加してきました。朝から晩まで、ひたすら訳しました… 翻訳者としてのレベルをさらに上げるためだけでなく、勉強法や人生における目標設定の仕方についてもとても学びが多かったので、振り返ります。

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翻訳は地道な作業。普段は黙々と一人でやることが多いので、同じ志を持つ人たちと学べてすごく刺激になりました。

 

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・訳したものは、翻訳者の目線と、一読者の目線の両方で見直す(枝廣さんは「違う帽子を被る」と表現していました)

・勝手な解釈で「創作」しない。「創作」は翻訳ではない

・辞書を引いたりネットで調べたりする時間は、翻訳の勉強時間に加算しない。調べるためにインターネットの海にどっぷり浸かって、やったような気になってしまわないこと

・著者の意図がわからないとき(ある物事をネガティブにとらえているのか、ポジティブにとらえて書いているのか、など)は、できるだけニュートラルな単語、表現を選ぶ。

・日本語力を磨く必要性

・自分が頑張って作った訳文は誰しも可愛いので、一度作業を終えたら満足しがち。10人いれば10通りの訳があるように、必ず違う翻訳も考えてみる

・「とことん納得がいくまで短い文章をじっくり訳す」「なるべく短時間でできるだけ多くの文章を訳す」など、その日の目標を設定してから取り組む。1日の勉強が終わってからどうなっていたいのか、何を改善したいのか、目的意識を持つ

・ビジネス翻訳と、出版翻訳は全く別の世界。出版翻訳をしたいなら、横にジャンプする必要がある
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特に私は「自分の訳が可愛い」という気持ちが、もう一歩上のレベルに行く妨げになっていたなぁ、と思います。一生懸命訳したので、これ以上の訳はないだろう、と心のどこかでいつも思っていた気がします。

あとは、インターネットでの調べ物にハマってしまい、時間があっという間に経っている、ということがよくあります。もちろん、書かれていることの背景や事実関係を調べるのはすごく大切ですが、相当意識的に時間を区切ってやらないと、単なる時間の無駄遣いと自己満足に陥るなぁ…と反省。

翻訳って「下請け」的に思われがちで、実際私も「翻訳ってつまんないなぁ。自分で何か書いた方が面白いじゃん」と思っていました。でも、翻訳者の腕一つで原書を生かすことも殺すこともできてしまうし、ちょっとエッセンスを加えれば原書で読む以上に面白い本になってしまうことだってある(事実関係を曲げるという意味ではなく)。今は、とてもクリエイティブな仕事だと思っています。

インターネットの情報も英語が圧倒的に多いけれど、英語を使わない人にはなかなか入って来づらい。ニュースにしても、日本語で伝えられているのとは全く違う視点の場合も多いし、広い視点を持つという意味で英語の情報に触れることはとても大切だなぁと実感しています。

枝廣さんは、プロとして通用する翻訳者を250人育てるのが夢だそう。そうすれば、250ページの本を1日で訳すことができるから。「英語で書かれた本には日本の人が読むべき、役立つべきものがたくさんある。それをもっと伝えたい」とおっしゃっていて、本当にそうだなぁと思いました。

今年は、ニュース&ビジネス翻訳の仕事をやりながら、さらに腕を上げるために一冊まるまる本を訳してみるのが一つの目標です。仕事につながるように、行動しよう!と思えた学びの場でした。

 

プログラム終了後の懇親会でもひたすら翻訳や語学について話し合う、異様な集団でした(笑)。